タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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ホテルのおっさん懇親会がカルテルっぽく見られた件

ホテルの現役プライスマネージャーにとって噴飯ものなんですよ。こんなニュース。ホテル業界でカルテル?というニュース。


問題点はここらしい。

関係者によりますと、15社の営業担当者らは毎月、都内で開かれる会合に参加し、客室の稼働率や平均単価、将来の客室単価の設定方針などの内部情報を共有していました。

都内大手ホテル15社 客室単価など共有 カルテルのおそれ 公正取引委員会が警告へ | NHK | 東京都

公正取引委員会は、情報共有が今後、不正に価格を引き上げるカルテルにつながり、独占禁止法違反にあたるおそれがあるとして、再発防止を求める警告を出す方針を固め、各社に通知しました。

都内大手ホテル15社 客室単価など共有 カルテルのおそれ 公正取引委員会が警告へ | NHK | 東京都

そうですか。

で、なんでこれが噴飯ものかというと、「情報共有が今後、不正に価格を引き上げるカルテルにつながり、独占禁止法違反にあたるおそれがある」らしいんだけど、こんな情報共有なんて誰でもできるんだよね。

例えばさ、Google map で「ホテル」で調べれば、その周囲のホテルの料金がぶわーって出るわけですよ。

こんな感じで。日付も変えられるし、1室1名か2名かでも調べられる。

まして専門のサービスもある。

例えばプライスコンシェルジュ。競合ホテルの価格の推移とか一覧で見れる。

あるいは、こういった情報から適切なホテル価格の設定をAIに出させるサービスもある。

例えばメトロエンジン。周りがこうだから、うちも10000円にしましょうよとか。

こういう時代に、密室でたかが15社が集まって何ができるかという話で、ええ。正直ただの懇親会レベルでしょうと。ましてシティ・高級路線寄りの、非外資系、古き良き日本のホテルといったところばかりの15社なので、価格に対して力も何もありゃしませんよ。この15社で何ができるかという話で。

まあ、昔は意味があったかも知れません。Google map でこんなにホテル料金の調査なんてなかったし。じゃらんとか楽天トラベルで個別に調べたり、ホテルに電話して「今日いくらですか?」って直接聞いたり。

でも今や一覧でぶばぱーって出る時代。おっさん15人集まってもたかが知れてる。民泊も含めると数限りないプレイヤーが存在するので、実効性は???ですわね。

あとはあれだ、実際に値付けをする立場の人間としては、他のホテルの情報は欲しいが、それは他のホテルとは関係なく、自ホテルの売上を上げたいがためで、協調したいわけじゃない。例えば他が高くて自分たちが安い場合、もう既に自分ところが高稼働であれば「他に合わせて料金上げよう」となるが、低稼働であれば「安いままにして、他の予約かっさらおう」となるし、逆に自分たちが高くて他が安い場合でも、自分ところが高稼働であれば「高いままでよし」になるし、低稼働であれば「他と合わせて値下げを」になる。他のホテルの価格を知ることで、自分のホテルの価格との差という相対的な情報を知ることだけでは情報として不十分で、そこに自分のところのホテルの稼働という絶対的な指標を重ねることで料金の設定に対する答えが出されるので、これが「カルテルのおそれ」とか言われても「は?」という話なんですよ。「おっさんの懇親会がカルテルとか思われてやんの」「だっせー」とは思うけどね、うける。

繰り返しになりますが、たかがホテル15社で何ができるという話でもある。乱立しているホテル業界で、民泊も含めた事業者の意思疎通なんて不可能だし、ビジネスホテルや外資系抜きの寡占とは言い難いメンツで市場をコントロールするなんて不可能です。ま、可能性があるとしたら予約サイト主導とかだけど。このあたりは別の闇があるので、またそのうち書くかも。

それでは本日はこのへんで。