タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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海外予約サイトでは何故問題が起きるのか

 直球名指しでホテル関係者としては笑うしかないというお話。東横INNがagodaとかに激オコというニュース。

 確かに東横INNの公式サイトでも絶賛告知中。

 今日は有識者としてこの件についてちょっと書いてみようかと。

 ます、この問題が東横INN固有の問題かどうかという点。答えは「No」。海外の予約サイトで部屋の予約を受け付けているホテルでは、とてもありふれた話。

 Googleで検索した結果もこんな感じでありまして、ええ。前述のagodaやBooking.comを傘下に持つBooking Holdings、Expediaやメタサーチのtrivagoを持つExpedia Groupなどが海外のオンライン旅行会社(OTAとも言うよ)として有名ですが、中国系のTrip.com Groupなんかも近年取り扱いを増やしております。



 ではどうしてこうした海外の予約サイトが問題になり、逆に国内の予約サイトでは問題にならないのか。ここで東横INNによるトラブル事例をもう一度確認してみましょう。

・お客さまがご予約した情報がホテルに通知されず、お部屋の確保がされていない。
・お客さまの予約されたお部屋や日付とは異なった情報がホテルへ通知され、正しい部屋タイプや日程のお部屋が確保されない。
・お客さまの予約完了からホテルへの予約通知に数日のタイムラグがあるため、ホテルでご予約の確認ができない。
・ホテルで設定した宿泊料金よりも大幅に高い料金で販売されていることがある。
・キャンセル不可で販売されることがある。

www.toyoko-inn.com

 全部で5つの事例が記載されていますが、上から3つは予約内容がホテルに届かないという問題で、残り2つは予約者の予約条件に関わる問題です。ホテルとしては海外の予約サイトから正確な情報が来ないのだから、ホテルに予約のことを聞かれてもわからんよ、予約をとった相手に直接聞いてねと。そして料金であるとか、キャンセルできるできないとかの条件は、予約者とホテルで結ばれた契約条件ではなくて、予約者と予約サイトで結ばれた契約条件だから、ホテルは関知しないよという話です。

 さらに掘り下げていきましょう。ホテルの宿泊予約なのに、どうして予約先のホテルが絡まない話になるかという点です。ここに海外予約サイトの特徴が凝縮されるのですが、海外の予約サイトでは日本の予約サイトに比べ、B to Bの在庫仕入れが一般的に行われています。ホテルタケルンバがA社に卸している空室を、B社がその空室枠を使って販売するというような手法です。

 実際にagodaも「Beds Network」という仕組みを通じてagodaが仕入れたお部屋を販売しています。


 こういった仕組みで、ホテルがagodaに卸したお部屋がagodaと契約しているどこかの旅行会社で販売されるわけです。

 ちなみにこういった仕組み自体は悪ではありません。よりお部屋をたくさん売るための仕組みですし、ホテルとしても仲介する予約サイトとしても、予約が増えて売上が増えればお互い得です。しかしながら何故冒頭のような話が発生するかというと、こういった仕入れの構造は多重構造になることがあり、多重構造になると連絡が複雑化し、そして責任もまた希薄化しやすいという点です。

 例えば、ある予約サイトの枠を使ってタケルンバトラベルがお部屋を予約します。しかし実際はタケルンバトラベルとは中抜きをしているだけの業者で、予約者はタケルンバトラベルとは一切関係のないホンニャラドットコムで予約をした。予約のときにクレジットカードで決済したが、予約確認のメールが来ない。心配になって予約者は予約先のあいうえおホテルに電話したが、あいうえおホテルにはホンニャラトラベルからの予約通知は入っていない。日付とか予約者の名義を伝えても予約はないと言われてしまう。さあどうしようというお話なのです。

 さらに問題が複雑化しやすいのは言語の問題です。「海外の予約サイト」というくらいなので日本語が通じにくいのです。日本語で対応できるスタッフがいるとは限らないのです。電話一本で解決できるとは限らないのです。この点が「海外の」という前提がつく最大の要因。そもそもの仕組みが海外の予約サイトに多いものでもあり、実際に問題が起きたときに言語の障壁もあって解決が難しくなりやすいのです。実は国内予約サイトのじゃらんnetだって楽天トラベルだって同様のB to B販売を行っているのですが、こちらは国内の予約サイトで、国内に連絡先があり、何かあったときに日本語で話せることから解決もしやすいものの、こういった国内の予約サイトも、海外の予約サイトに予約枠を提供しているだけで、予約の相手方自体は海外の予約サイトになるわけです。

 さらに難儀な点として、多重構造の下の旅行会社ほど自分の取り分を減らしてでもと割引販売をすることが多く、スマートフォンとかでホテル検索したときに一番安く表示されやすいことです。普通にホテルを検索して、一番安い部屋を予約すると、知らず知らずこういう海外の予約サイトのB to B予約になっています。予約をして決済もして、さて自分はどこのサイトで予約したんだろうかと調べてみてもよくわからんと。「Google map で予約しました」という話になりやすい。Google mapからどこの予約サイト経由したのかが自覚できないまま予約しちゃっているケースも多いのであります。

 このあたりはLCCとかの問題と似てくる話で、「安いものには安い理由がありますよ」というお話でもあるのですが、予約者にとっては安いがための不利益とか不満をホテルにぶつけやすく、ホテル側は対策に難儀し続けている現実はあります。海外の予約サイトには連絡がつかないし、ついても日本語通じない。でもホテルでれば忙しい時間とか夜間以外なら電話通じますから。日本語通じるし。まあ東横INNが業を煮やしてこういうご案内を出すのも理解できます。だってそうだもの。

 とはいえ海外の予約サイトは大変便利です。国内の予約サイトにはないお得なプランや料金が隠れていることもあります。そこでこのあたりに注意して活用すればいいのではないかと。

あまりにも無名な予約サイトは使わない

 何かあったら困りますからね。そこそこ名前が通ったところなら安心。

国内の問い合わせ先電話番号がない予約サイトは使わない

 何かあったら(以下略)。

決済方法は宿泊当日のホテル決済

 事前決済にすると何かあってもしっかりお金はとられてしまいます。ホテル決済にすればチェックインの際に精算することになるので、予約の手違いでお部屋がとれていなかったというトラブルがあっても、お金の取られ損は発生しません。変更・キャンセルがある場合でも、ホテルはクレジットカードの決済に関与していないので、決済金額の減額や取り消しはできませんが、当日の決済であればそういった心配もありません。精算が絡まないので、ホテルで予約のキャンセルだけは受け付けてくれる可能性もあります。

 このあたりにご注意の上、海外予約サイトをご活用ください。